かや 特集
かや
魅惑のヴェルヴェット・ヴォイス。
かや、シャンソンを歌う。

2008年4月に「ショコラ」で待望のメジャーデビューを飾った耽美派歌手Kaya。そんなKayaが、今回はアーティスト名を“かや”として古き良き時代の楽曲を取り上げて歌うという、名曲シリーズ第1弾となるミニ・アルバム「ボンジュール!シャンソン」が2月18日にリリースされました。

今回、かやが取り上げたのはシャンソン。古き良き時代の名曲に新たな息吹を吹き込んだ。ヴォーカリストとしての高い志を感じさせる作品となっています。楽曲に寄って声色や雰囲気までがガラリと変わってしまう表現力はまさにお見事!という感じ。

シャンソンなんて敷居が高いわ・・・なんて案ずることなかれ、今回取り上げた楽曲はどの曲もテレビのCMなどでも耳にしているポップで親しみやすい楽曲ばかり。
一度、聴くと今まで抱いていた先入観を取り払ってくれる作品に仕上がっています。個人的にはジャジーなテイストの「セ・シ・ボン」がお薦め。

ゴシック・トランスを歌ういつもの“Kaya”も素敵ですが、シャンソンを歌う“かや”も甲乙付けがたいほど素敵なのです。

目を瞑れば、瞬時にしてそこは巴里のシャンゼリゼ通り、かやの天鵞絨のような歌声がまだ見ぬ遠い仏蘭西の香りを運んでくれますよ。

Addictのみなさんも、そうでない方達も今宵、小粋なパリジャンとパリジェンヌとなって、かやの歌うシャンソンの世界に心行くまで酔いしれてみてはいかが?


Kaya Official Web Site
::: 薔薇中毒 -Rose Addict-

http://kaya-rose.com/pc/index.php

◆プロフィール◆

7月17日生まれ、徳島出身。
2002年、ex MALICE MIZERのMana氏プロデュースにより、Schwarz Stein(シュヴァルツシュタイン)のボーカルとしてデビュー。
ワンマンライブ、音楽誌の企画イベント出演、全国ツアーなど、精力的に活動。
2004年、Schwarz Stein解散を機に事務所を離れ、フリーのシンガーとなる。
現在『耽美』をメインテーマに活動、『美意識革命』『セクシャリティの解放』を目標とし、作詞、CDジャケットデザイン、メイクや衣装デザイン、ライブの構成、演出、そのすべてを自ら手掛ける。
ダンサーやドラァグクィーン、バレリーナや役者とのコラボなど、ショー的要素の多いライブを展開するかたわら、ジャズやシャンソン、歌謡曲などのカヴァーライブもライフワークの一環として精力的に行っている。

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かや名曲シリーズ1 ボン・ジュール・シャンソン
かや
かや名曲シリーズ1 ボン・ジュール・シャンソン 名曲の数々をKayaが歌い継ぐカヴァー集。第一弾はシャンソン。モダンかつポップなサウンドで名曲が蘇る! ヴィジュアル系歌手がジャンルに捕われず、名前も"Kaya"から"かや"と変え、歌手として名曲を歌.....
アルバム CD | 2009/02/18 | 2200円(税込)
廃盤(購入不可)

■かや インタビュー

―― かやさんにとって2008年というのはどんな年でしたか?

かや:2008年は激動の年でしたね。
4月にデビューさせていただいてから、実際にはまだ1年経ってないわけなんですけれども、もう10年とか経ったような感覚です。メジャーデビューをすることによって、いろいろな方のご意見をいただけたりとか、今まで知らなかったようなアプローチの仕方というのを勉強出来たりとかもありました。

あと初めての経験というのがとても多くて、例えば昨年の秋ぐらいにアメリカ公演とか海外の方に行ったり、それから出身校の文化祭に呼んでもらったりと、そういう今まで出来なかった経験っていうのがとても多かった本当に濃い2008年でした。

―― じゃあ、かやさんにとってもいろいろな経験があって成長した感じですね。

かや:そうですね。成長させていただいた年でしたね。

―― ではそこで2008年を超えて2009年第1弾のリリースですが、今回のこの2月18日にリリースされる「かや名曲シリーズ1 ボン・ジュール・シャンソン」ですが、最初にシャンソンのアルバムを制作しようと思ったきっかけから教えていただけますか?

かや:元々あたくしは歌謡曲で育っていますので、古き良き音楽というのがずっと好きでしたの。
そういうものを歌い継いで行きたいなという気持ちが小さい頃からありまして、インディーズの頃からカヴァーライブで歌謡曲を歌ったりとか、シャンソンに挑戦したりしておりましたので、それを本格的にしっかりと腰を据えてやってみようかなと思いまして。

それで第1弾はやはりあたくしが大好きなシャンソンをやってみようかなと思ったんです。

―― やはりシャンソンが思い入れが深いので第1弾というところなんですか?

かや:思い入れというよりは、今、マイブーム的な感じですね(笑)。
ここ数年、あたくしはとてもシャンソンが気に入っていてよく聴いているんです。

あとあたくしは歌でやって行きたいのは古き良きものを歌い継いで行くっていうことと、保守的な古いもの、古いものと一口で言っても良いものと悪いものがありますよね。

セクシャリティのことだったり、お家柄のこととか差別とか、そういう凝り固まった考えというものを打破するべく闘って行きたいなというところで、シャンソンってどうしても固いというか、重くて難しいっていうイメージがあると思うんですね。

そういうところを打破して行きたいなというところがあって、そこはあたくしの音楽に対する理念とリンクするところがありましたので、手始めにシャンソンから挑戦してみようか思いましたの。

―― なるほど。作品を聴かせていただくと確かにその考えは成功している感じがしますね。
個人的にはシャンソンってやはりちょっと敷居が高いイメージがありますよね。

かや:そうなんですよね。

―― でも聴いてみるとこんなにポップで可愛い歌なんだっていう目から鱗が落ちてしまいましたね。

かや:ありがとうございます。
元々、シャンソンってフランスの歌という意味なんです。
なので伝統芸能という感じで格式張った形で扱うのは、なんとなく変だなとずっと気になっておりましたの。

そこでいろいろなシャンソンをお歌いになっている方とか、先輩方とお話してみると、みなさんそういう考えをお持ちの方もたくさんいらっしゃったので、じゃあ、そういう方達と一緒にかやはかやなりの新しいシャンソンというのを作って行きたいなと思いましたの。

なので今回は特に初めてっていうのもありますので、みんなが聴いたことのあるような特に可愛くてポップなものっていうのを集めてみたんです。

―― シャンソンっていうのは愛とか恋の歌なんですね。取っ掛かりにはピッタリだなっていう気はしますよね。

かや:そうですね。やはりそういう題材が多いですね。恋心とかはみなさんが一番入りやすい感情ですしね。

―― そうですよね。それからお名前の話なんですが、カヴァーのアルバムの時はアーティスト名がひらがな表記なんですね。ここもこだわりなのかなーというところで。

かや:あたくしの理想は万華鏡のようないろんな姿にいろんな色に変わるアーティストっていうのを目標としているんですけれど、現在はゴシック・トランスというゴシックな音楽をトランス・ミュージックで表現するというのをメインのスタイルにしておりますので、それとシャンソンや古き良き曲をしっかり歌って行くという、まずは二足のわらじ的な分け方をした方がわかりやすいかなと思いまして。

それ特別化するために名前を変えようかなと思ったのですけれども、でもいきなり変えてしまいますと、新人が急に名前を変えるとまた新しい新人さんかと思われてしまいますので、ではどうしようかなと思いまして、あたくしはプライベートでお友達にメールをしたりする時にひらがなで“かや”と送ってるんですけれども、ではいつものKayaとはもうちょっと違う、あたくしのプライベートに近い感じというか、より等身大のあたくしが歌ってるって感じにしようかなと思ってひらがなにしてみたんです。

―― 柔らかい感じがしますよね。

かや:そうですね。日本語ってやっぱり柔らかい感じがしますしね。

―― かやさんはいつもすごく先を見て活動をしていますよね。

かや:一年後、五年後、十年後みたいなザックリとした目標を事細かにっていうよりはおぼろげにですけれども組み立ててから進むようにはしていますね。
最近、後輩のミュージシャンの方とお話をする機会が多いのですけれど、闇雲に車に乗ってても仕方がないと思うんですよね。
例えば富士山に行こうって思って運転するから辿り着くというところが大事だと思っておりますので、何となくでも目標は立てておかないと進めないなというところがあるからなのだと思います。

―― すごい志が高いですよね。

かや:いえいえ、いっぱいいっぱいです(笑)。

―― 例えばかやさんが歌っているから聴いてみようかなっていう若いリスナーもいると思うんですよ。

かや:そういう感じで聴いていただけたら嬉しいですけれどもね。
あたくしはビジュアル系の畑というか、ビジュアル系が大好きで今はビジュアル系のKayaというフィールドにおりますので、ビジュアル系の音楽を聴く方はやはりメインで聴く音楽はとかくビジュアル系になってしまいがちですよね。
でもそれだけですと視野も狭くなりがちですので、新しい世界を開くきっかけになれば良いなと思っておりますね。

―― 好きなアーティストが例えば昔の曲をカヴァーしたりすると遡って聴いてくれるリスナーの人というのは必ずいますよね。今回もきっとそういうきっかけになると思うんですよね。

かや:そうですね。そうなれば良いですよね。

―― 楽しみですよね。

かや:はい、頑張ります。

―― 今回のアルバムの選曲は先程もおっしゃられたようにポップなものとか、そういうところで選ばれたと思うんですけども、選曲で苦労されたりはしましたか?

かや:そうですね、レーベルの方ともいろいろ話し合いを重ねまして、ギリギリまで決まらなかった曲もあったりとか(笑)、やはりシャンソンっていうジャンルはなかなか見えづらいじゃないですか、簡単ではありませんので、しかもそれを打ち破って行かなくてはいけないというのもありまして、これは選曲がかなり胆だよねみたいな話をみんなでしましたね。

―― では考慮に考慮を重ねて選んだ感じなんですね。

かや:まさしく。

―― なるほど、いつも歌われている曲もあると思うんですけれども、シャンソンを歌うことによって苦労とかはありましたか?

かや:スタンダードというのはみなさんがお歌いになっていらっしゃいますので、そこに私の個性を入れて、その上で元々の楽曲の作曲者の方のイメージもしっかりと守りつつというのは、すごく難しいなと改めて思いましたね。
今までは自分の曲を歌っていましたし、歌詞はあたくしが全部、自分で手掛けていまして、全て実体験を書いておりますので、感情移入もしやすかったのですけれど、今回はまず作曲された曲の時代背景から感じないと表現できないと思いまして、いつの時代のフランスのこういう風景のところで流れていた曲なんだろうなというところから調べたりと、いつもより時間は掛かりましたね。

―― 声の出し方とか例えば表現などは自分の曲とシャンソンを歌うっていうのは心構え的に最初から違ったりするものなんですか?

かや:あんまり自覚はないですけれども違うと思いますね。
前作の「Last Snow」というバラードの2nd シングルを12月にリリースしたんですけれども、そこからしっかり譜面を見て歌うようにということと、歌詞を何度も朗読して、この曲は何を言いたいのかなっていう物語をまず自分の中に入れるという作業をするようになりました。

―― ヴォーカリストとしてもまた一段階、成長しているということですよね。

かや:だと良いのですけど(笑)かなり勉強になっています。

―― 声がとても艶っぽい感じがしましたね。

かや:ありがとうございます。そう言っていただけるのが一番嬉しいです。(笑)

―― 今回はシャンソンということでサウンド面もいつもとちょっと違うと思いますが、拘った点やどんな点を重視して制作されたか教えていただけますか?

かや:サウンドは餅は餅屋と言いますか、あたくしだけではやはり細部を決めかねるところがたくさんありますので、前作からなんですけれど、一流のプロのミュージシャンの方に参加していただいております。
ですので、そこはもうみなさんに委ねて、この曲はどういうふうにしたら良いですか?っていうアドバイスをみなさんにいただいたりとかしました。

でもお上品で綺麗なおシャンソンっていうのだけにはしたくなかったのと、どこか可愛らしくてとっつきやすいイメージを作りたかったので、ちょっと遊び心でリコーダーを吹いてみたりとかチョコチョコとかやが参加している部分もあるんですよ。
どこで吹いてるかはみなさんで探してみて下さいませね。

―― じゃあ、私も後で聴き返してみようと思います(笑)。個人的には今回収録された楽曲の中で2曲目の「セ・シ・ボン」がお気に入りなんです。

かや:今回はジャズ・バージョンにしているんですよ。
ジャズも難しくて、ハードル高いかなと思ったのですけれど、意外に「セ・シ・ボン」が一番早くスムーズに出来上がりましたね。

―― これはすごくポップな感じもするし、ジャズの音の豊かさとかがすごい良いなと思いましたね。

かや:ミュージシャンの方がとにかく素晴らしいので、もうみなさんの音に抱かれている感じで歌おうかなと(笑)。

今回は設定をしっかり決めているんですよ。
かやを連れて街に出ようっていうサブ・タイトルというか、あたくしの中のテーマがあって、曲を持って一緒にお出掛けしているような、簡単に言いますとデートの一日のBGMという感じって言うのかしら。

そういうテーマにしていまして、プラス、この曲の人は何歳位の性別はどれでどういう職業でとかも何となく先に考えて「セ・シ・ボン」は20代半ばの女性の気持ちで歌いました。

―― なるほど!今回初めてちゃんとシャンソンの歌詞というのを読ませていただいたんですが、ハッ!そういうことなんだ・・・大人っぽい歌詞なんだなと思いましたね。

かや:大人っぽいというか、熟れに熟れきった感じの(笑)歌が多いですよね。
今回は特に若々しい曲をメインにはしてるんですけれど、たぶんこれからどんどん歌って行くにつれて、いろいろな年令の曲が出て来るんじゃないかなと思いますね。

―― 今回の作品を期にシャンソンを聴いてみたくなりました。かやさんがシャンソンに心惹かれる一番の理由っていうのはどういうところなんですか?

かや:やはりメロディーが美しいことでしょうね。
丁度シャンソンが流行った時代のフランスは本当に美しい時代だったと思うんですよね。
たぶんその時代の香りを残している音楽だと思うので、どの曲を聴いても旋律自体に美しさがあるというか。
やはりちょっと暗めな曲が多いとうのも事実だと思うんですけれど、あたくしはやはりそういうのが好きなんですよね。
どこか物悲しかったり、湿度があるというか、独自のそういう世界観がとても好きなので、そんなところに惹かれてしまいますね。

―― なるほど、よくジャズとかに挑戦する若手のアーティストの方もよくいらっしゃるじゃないですか。でもシャンソンではあまりいないですよね。そういう点では新しいんだなって思いましたね。

かや:CD屋さんに行ってもジャズ・コーナーは絶対ありますけれど、シャンソンってワールド・ミュージックなどにまとめられてしまっていて、ハワイアンとかと一緒に置かれているんですよね。
そういうことが多いので、シャンソンっていうコーナーを置けるくらいに流行れば良いなと、そしてそのきっかけになれたら良いなと不遜ながら考えておりますけれど・・・(笑)。

―― かやさんバージョンでちょっと重い曲とかいろんなを聴いてみたいですね。

かや:そうですね。そういう曲もどんどん歌って行きたいなと思います。
シャンソンは日本人に合うと思うんですよ。
日本もどちらかと言うとノスタルジックでちょっとマイナーキーの、少し暗めのものを良いとするという文化がありますよね、はんなりしてると言うか(笑)。
そういう日本人の心とも必ずリンクするものがあると思いますので、意外とシャンソンは日本人にとってとっつきやすい音楽だと思うんですけれどもね。

―― そうですよね。シャンソンは昔はよくCM曲に使われていたんですけどね。

かや:そうですよね。「ジュ・トゥ・ヴ」とか「オー・シャンゼリゼ」とかはずっと昔からいろいろなバージョンでCMで使われているくらいですのでね。

―― 実は知らず知らずに耳には浸透してたりするのかな、敢えてシャンソンであると知らされてはいないだけなのかなというところはありますよね。

かや:シャンソンって言葉のイメージが良くも悪くもかもしれないんですけど、とにかく硬くて難しいってイメージが先行してしまっているせいだと思うんですよね。

―― なんかこう軽い気持ちで入っちゃいけないのかなみたいな。

かや:そうそう、もっと軽いものですよっていうのを伝えて行きたいなと。
昨年の11月に青い部屋という戸川昌子さんのシャンソニエで歌わせていただいたんですけれど、そこで戸川さんと一緒に「オー・シャンゼリゼ」を歌ったりさせていただいたんですけれど、戸川さんもシャンソンっていうのはフランスの歌っていう意味だから、もっととっつきやすいもので楽しいものなので、おシャンソンって“お”を付けるものではないというようなことをMCでも仰っていましたので、あたくしもそこにすごく共感を感じたというか同じ思いなのですよ。

―― そういうふうに若手の人がドンドン広めて行ってほしいですよね。勿体ないですものね。

かや:本当に勿体ないと思いますね。

―― そうですよね。今回、取り上げた曲で一番苦労した曲は何ですか?

かや:実は一番今回のメインになっている「オー・シャンゼリゼ」が一番苦労しましたの(笑)。

―― そうなんですか!

かや:この曲は今回アルバムに収録された5曲の中で特に一番有名な曲だと思うのですけれど、一番有名だし、一番耳に残るので、技術的にも一番難かったですね。
メロディもフランス独特というか、実は原曲のメロディは一般的に日本でみなさんの覚えられているメロディが違うんですよ。
作曲された原曲の正しい音程で作ったんですけれど、みなさんの知っているメロディとはちょっと違うんです、それがとても難しくて・・・。
シャンソンはよくくずして歌うというか、ジャズとかロックと違って独特の決まったリズムとかがありませんの。

ですので、好きに歌って良いというような流れがあるのですけれど、それはそれで確かに合っていますが、例えて言うならばお習字の楷書が出来てから行書に行って、そして草書に行ってというような段階を踏むと言いますか、楷書が上手く書けない人がいきなり草書に行って、見よう見真似で上手く書けてもそれはダメじゃないですか。
たぶんそれと同じことだと思うんですよね。

しっかり本当のフランスから伝わって来たメロディを入れてからくずすのは良いと思うんですけど、やはり第1回目なのできちんとしたメロディを歌っておこうと思いましたの。
今後ライブで自己流でくずして行くと思うんですけれど、今回はそういうしっかりしたメロディとリズムで歌いましたので、あたくしはまだ勉強中で未熟な面もあると思いますし、その点はとても難しかったですね

それからさっき年齢も人も考えたっていうお話をしたと思うんですけれど、5曲全部、全員違うかやで歌わなくてはいけなくて、同じような歌い方が出来なかったんですよね。
それから特に「オー・シャンゼリゼ」は軽やかだけれど芯はあってというような、今までに歌ったことがない歌い方に挑戦したのと、その上この曲は今までに歌ったことのなかったキーの高さだったんです。
キー的にも初挑戦のキーだったので、とても難しかったですね(笑)。

逆に4曲目の「パダン・パダン」という曲は、あたくしが今までゴシック・トランスでずっと歌って来たキーとか歌い方と非常に似てる感じでしたので、この曲はとても速く録れました。

―― そんな苦労があったんですね。

かや:(笑)、実は。
白鳥の水面下の如くバタバタしておりますのよ(笑)。

―― スーッと歌われたのかなと思っていたんですけどね(笑)。

かや:でも反対にそういう部分が歌に出てしまっては良くないかなと思ったんですけれど、出来上がった曲のを聴いてみたら、ちゃんと軽やかに歌えておりましたので良かったと思いました(笑)。

―― 全然、楽しい感じで始まっていますよ。

かや:苦労した面もありましたけれど、やはり楽しかったです。全曲通してすごく楽しくて。
丁度、1月2日から歌入れをしていたんですけれど、おせちとかみんなで持ち寄ってつまみながら(笑)、楽しい感じで。
「オー・シャンゼリゼ」って「シャンゼリゼ通りで会いましょう」って意味なんですよね。
なので楽しい雰囲気を出さなくてはと思って、スキップをしたりとかしながら歌いました(笑)。

―― この「オー・シャンゼリゼ」の“オー”って言葉は日本人の人は“オー!”って言ってるんだと思うんですよね。

かや:そう、感嘆符というか“オー!”って取られてると思うんですけれど、「シャンゼリゼ通り」“にて”とか“で”とか、英語で言うと“in”とか“for”“at”などの前置詞の意味なんですよね。
なので歌い方もビブラートで華やかに歌っても良かったんですけど、あんまりそうしちゃうと本当に「Oh」の方になっちゃうなと思いましたので、「オー」っていう言葉を大事に歌うように心掛けました。

―― そういうふうに伺った上で楽曲を聴くとまた違って聴こえて来そうですよね。
では今回のアルバムは特にどんな人達に聴いてほしいと思いますか?

かや:ビジュアル系のKayaを応援して下さっている、ビジュアル系が好きなみなさんはもちろん、シャンソンという言葉に偏見がある方とか、シャンソンっていうのはよくわからないわっていう方とかに聴いていただきたいなと思いますね。
特に年上の方、4〜50代の方とかと話していると特に堅くて重いというイメージっていうのがあるようで、うちの両親とかもそうで暗くてイヤって言うんですけれど、こんなに楽しくて良い曲もたくさんあるよっていうのを伝えて行きたいなと。

あと今回はデートにピッタリっていう感じで、かやを連れて街に出ようというか、外で聴いてほしいなというのがありますので、是非デート中に聴いていただきたいです。
幅広い方に偏見なく聴いていただきたいなと思いますね。

―― そうですよね。春になって街に出る時に聴くときっととても素敵ですよね。

かや:ですよね。リリースが2月なので特に2、3、4月ぐらいの暖かくなって行く時期に聴いていただきたいなと思いますね。
ですけれどどんな季節に聴いても良いように想定しながら歌ったので、寒い季節に聴いて頂いても素敵ですよ。

―― まさにピッタリじゃないですか。今後これはシリーズになって行くんだと思うんですけど、今後はどんなジャンルとか取り上げようかなと思っていたりしますか?

かや:いろいろやりたいですね。
さっきも申しましたけれども、やはりあたくしは歌謡曲で育っておりますので、日本の昔の古き良き6、7、80年代の歌謡曲とかにも挑戦したいですし、あとジャズとか、ブルースなど、そういう方面にも行きたいですし、あとミュージカル音楽とかもすごくやってみたくて、「虹の彼方へ」とか「雨に歌えば」とか、そういうの方面にも行きたいなと思っておりますね。

―― 楽しみですね。

かや:はい、ジャズもそうですし、シャンソンもそうだと思うんですけれど、興味はあるんだけど、どれを聴けば良いのかわからないなって思う方ってたくさんいらっしゃると思うので、どのジャンルにおいてもそういう方へのきっかけになれたら良いなと思っております。

―― ではこれから2009年始まったばかりなんですけど、今年はどんなことにチャンレンジしようかなという展望はありますか?

かや:去年は本当に勉強の年というか、いろいろなところに種を蒔くような時期の2008年でした。それがやっとたくさん芽が出て来たところだと思いますので、それを育てて行く作業といいましょうか。

シャンソンもそうですし、いろんなスキルアップとかもそうですし、ダンス一つにとっても本当にいろんなことに対して育てて行きたいなと。
特に先程も申しましたけど、今回のゴシック・トランス、ビジュアル系の“Kaya”というところと、名曲を歌って行く“かや”という、まずはこの2つに絞って、交互にやって行くような年にしたいなと思っております。

ただいろんなことに本当に興味があるので、ダンスもやりたいですし、バレエとかもやりたいですし、お芝居もちょっとやってみたいなと思っておりますので、シャンソンとKayaの今までの曲とを役者さんと一緒にお芝居とシャンソンとゴシック・トランスのコラボみたいなものを今年は随所でやって行きたいなと思っております。

―― 今年もいろんな挑戦の年になりそうですね。

かや:はい、今年も来年より更に挑戦の年で頑張って行こうかなと思いますね。

―― では最後にみなさんに向けてメッセージをお願いします。

かや:今回シャンソンということでシャンソンは偏見とか堅いイメージがあると思うんですけれど、いろんな方がご覧になっていると思うので、シャンソン一つにとってもそうですし、ビジュアル系というジャンルもそうですし、あたくしはちょっと格好が奇抜じゃないですか。
でも本当にいろんな歌を歌っておりまして、実は聴きやすい曲をたくさん歌っておりますので、偏見を持たずに是非聴いてみていただきたいなと思います。

―― ありがとうございました。

かや:ありがとうございました。

(Text by Takahashi)




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